おおぐち泌尿器クリニック|岐阜県瑞穂市の泌尿器科|診療内容のご案内

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おおぐち泌尿器クリニック
岐阜県瑞穂市別府738番1
TEL:058–329–3088

女性泌尿器外来について

女性泌尿器外来とは、主に 尿漏れ(尿失禁)頻尿性器脱(膀胱瘤、子宮脱、腟脱、直腸瘤)過活動膀胱間質性膀胱炎 について診察する外来です。

⇒女性泌尿器外来の診察の流れはこちら

尿漏れ(尿失禁)、頻尿

健康成人女性の4人に1人、40〜59歳の女性では約半数の人が尿漏れ(尿失禁)に悩んでいます。尿が漏れることによって生命に危険が及ぶわけではありません。
しかし尿が漏れるために、不安で外出や人に会うのがゆううつになり、快適な生活ができなくなるといういわゆる生活の質(QOL)を著しく低下させることがわかっています。
水分の取りすぎや体が冷えたりすると頻尿になることがあります。しかし、これらは生理的なもの。また、肥満の体質が尿もれの原因になるとも言われています。こうした頻尿や尿もれは年齢とともに増加していく傾向にあるため、加齢によるものとのイメージが強いのですが、決してそうとは限りません。頻尿、尿もれはどの年代にも存在します。加齢や体質のせいと考えるのではなく、病気を疑うことが大切です。

尿失禁

尿失禁はなぜ起こるのか?多くは骨盤底を支える筋肉が加齢や出産、肥満、骨盤内手術(子宮摘出など)などによりゆるむことにより、尿道がきちんと閉鎖できなくなることによって起こります。また骨盤底の機能の維持に重要な働きをしているといわれる女性ホルモン(エストロゲン)が、更年期になり減少してくると症状が顕在化してきます。後で述べる腹圧性尿失禁は50歳代にひとつのピークがあります。
尿失禁のタイプとして

(1)腹圧性尿失禁 いわゆる咳やくしゃみせき・くしゃみ、重いものを持ち上げたりするおなかに力が加わるときに漏れるタイプ。 風邪のときなど、咳やくしゃみ をすると漏れる、縄跳びやエアロビクスエアロビクスなどの運動をしたときに漏れる、あわてて立ち上がったとき立ち上がったときに漏れる 出産後出産後、漏れやすくなった
(2)切迫性尿失禁 尿意を感じたらトイレに行くまでに我慢できずに漏れてしまうタイプ。
突然、トイレに行きたくなりトイレに行く、漏らしてしまう、水に触れたり、水の音を聞くと、 漏らしてしまう
大きく分けるとこの二種類ですが、両方を合併している混合タイプもあります。
他にも溢流性尿失禁(常に残尿がありもれるというよりあふれてくるタイプ)、機能性尿失禁(身体的理由でトイレに間に合わない、行くのに時間がかかりすぎてもれてしまうタイプ)などがあります。

治療は骨盤底筋体操、手術などがあります。
尿失禁は、決して恥ずかしいことではありません。また、“歳だから”などと、あきらめないでください。さまざまな治療法があります。きちんと検査をして診断すれば治る病気です。

骨盤臓器脱

一般に骨盤内にある膀胱、子宮、膣、直腸、小腸などの臓器は筋肉(主に肛門挙筋)や靭帯によって骨盤底に支えられています。骨盤臓器脱とは加齢や出産、骨盤内手術(子宮摘除)などによりこういった支持組織がゆるむことによって骨盤臓器が下がり、それにともない前後腟壁が腟口より飛び出してきます。また病状の進行により尿失禁、骨盤下垂感や股間に何かがはさまったような不快感、下腹部、会陰部にピンポン玉のような何か触れるといった症状がでてきます。ひどくなると尿が出にくくなり、腟口に触れるものを奥へ押し込んで排尿しなければならなくなることもあります。以前認められた尿失禁がなくなったと思ったら、逆に尿が出にくくなり排尿困難をきたす場合もあります。

膀胱瘤 子宮脱 直腸瘤

下腹部に違和感がある、陰部が引っ張れられるような感じがある
股間にピンポン玉のようなものが触れる
尿がもれる、残尿感がある、尿がでにくいなどの症状がありましたら、
ぜひお尋ねください。
骨盤臓器脱は放置すると排尿困難が増悪し腎機能障害になったり、腟壁びらんや腟炎などになる場合があります。
きちんと診断し治療すれば治ります。

過活動膀胱

過活動膀胱とは2002年に国際尿禁制学会にて次のように提唱された自覚症状だけで定義された症候群です。尿意切迫感を主症状とし、多くは頻尿(昼間・夜間)を伴い、一部は切迫性尿失禁を伴う、自覚症状症候群である。
尿意切迫感とは急に起こる、抑えられないような強い尿意で、我慢することが難しい症状をいいます。これは徐々に膀胱に尿がたまり膀胱に多量の尿(400〜500ml)がたまったときの尿意感覚は最大尿意といって、生理的な膀胱知覚であり尿意切迫感とは全く異なるものです。
2002年、国内で初めて過活動膀胱の調査が行われました。その結果、40歳以上の12.4%、これを日本の人口に換算すると810万人が過活動膀胱の患者さんであることが推定できます。しかし、実際に治療を受けていると思われる患者さんは70〜80万人ほどで、過活動膀胱が病気であるということを知らない人が多くいるのが現状です。
治療は薬物療法(坑コリン剤が中心)、行動療法(膀胱訓練)などです。
最近、尿が我慢できなくなったとかトイレに間に合わない、尿の回数が多いなど気になるようでしたら一度御相談ください。

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎とは慢性的な膀胱の炎症ですが、その原因は明らかではありません。
通常の膀胱炎は細菌による感染で起こり抗生物質で治りますが、間質性膀胱炎には抗生物質は無効です。尿がたまってくると膀胱に強い痛みを感じ、少し尿がたまっても尿意をもよおしそのため頻尿になり、排尿すると楽になります。尿検査をしても異常がなく、抗生物質でも症状改善がないため、何件かの医療機関を受診する人も少なくありません。
実際、診断もむずかしく残念ながら現在のところ誰にでも効く有効な治療法がないのが実情ですが、正確な診断をし、いくつかの治療法を組み合わせることにより症状を和らげることは可能です。

以上の病気はいずれも老化による生理現象ではありません。
あなたに合った適切な治療を続ければほとんどの場合は治り、
症状を和らげることができる病気です。

現在、尿がもれる、尿の回数が多い、我慢ができない、膀胱痛、逆に尿が出にくい、きばらないと出ない、下腹部に不快感がある、股間に何か触れるなどお悩みの方、少しでも気になる方は遠慮なく御相談ください。恥ずかしからず一度勇気をもって御相談下さい。お話だけでもかまいません。受診御希望の方は一般外来を受診されてから女性泌尿器外来を予約されても、直接女性泌尿器外来を予約されてもどちらでもかまいません。
女性泌尿器外来は毎週土曜日、午後1時からです。
予約診療になります。電話でも予約は可能です。

気になる方は外来受付にお申し出てください。

女性泌尿器外来の診察の流れ

1回目の診察

原則、(土曜日 午後2時〜)で行います。

1.問診表、QOL評価表、排尿日誌の説明

問診表 どのような状況で尿失禁が起こるのか、どのタイプに該当するのかを明確にするために、既往歴(産婦人科手術や尿失禁手術の既往など)、薬剤歴(服薬内容など)、出産歴、閉経、ホルモン補充療法の有無などをお聞きします。
QOL評価表 問診表にて尿失禁があなたの普段の生活にどの程度影響があるか(QOL)を正確に評価する。
排尿日誌 1週間、1日排尿量、1回排尿量、排尿時間、失禁量、尿意の有無をつけてもらいます。
あなた様の現在の排尿状態(尿失禁状態)を把握するのに非常に大切な検査です。
尿検査 泌尿器科の一般的スクリーニングです。

2.視診、腟内診

内診台に下着を脱いで開脚して座ります。
腹部膨満や肥満、手術瘢痕の有無を確認します。
性器脱(膀胱瘤、直腸瘤、子宮脱)や萎縮性腟炎、尿道憩室などの有無を確認します。
羞恥心を伴いますが、診断今後の治療のためには欠かせない重要な検査です。
全身の力を抜いてリラックスした状態で受けてください。
尿漏れのある場合は以下の検査を同時に行います。

3.ストレステスト

膀胱に200〜300ml生食を注入し、腹圧(いきみ、咳など)をかけてもらい尿の漏れをみます。

4.Qチップテスト

綿棒を外尿道口より挿入し、いきみ時に綿棒の角度がどれだけ動くかをみる。
尿道の過可動性があるかを観察します。

5.60分間パッドテスト

尿失禁の重症度の客観的目安になる。
尿漏れパッドをつけてもらい500mlの飲水後、腹圧性尿失禁を誘発する動作を約1時間行ってもらい、前後のパッドの重量を測定し失禁量を求める。
骨盤臓器脱がある人は膣の中にガーゼを2枚挿入します。(膣ガーゼパックテスト)

これまでに得られた所見に基づき以下の検査のうち必要と思われる検査の予定をたてます。

2回目以降の診察

1.尿流量検査、残尿測定

尿をある程度ためてから排尿してもらい尿の勢いを測定します。
検査の前には排尿せず、尿をためておいてください。

2.鎖尿道膀胱造影(Chain CG)

膀胱に細い鎖を留置し、造影剤を注入してレントゲン撮影をします。
骨盤臓器脱の程度がわかります。正面、斜位で安静時、腹圧時の計4枚撮影します。

3.検査結果、病態説明

現在の状態を説明し、治療法の種類(手術、骨盤底筋体操、薬物治療)を説明し、最適な治療法を決定します。

このようにいくつかの検査がありますが、いずれも最適な治療法を決定するためには必要な検査です。